一般的な除湿機(除湿器)は、部屋の湿度を下げますが、温度は下げません。
(むしろ、除湿の際に発生する熱で室温は上昇するでしょう)
そのため、除湿機は夏のエアコン代わり(クーラー代わり)にはなりません。
熱中症の心配もあるので、エアコンの設置がベスト。
賃貸などで壁付けができないなら、ウインドエアコン(窓用エアコン)もあります。
ウインドエアコンも設置できない場合は、扇風機で風が抜けるようにしたり、暑さ対策をいくつも併用するか、冷風除湿機を試してみる、隣の部屋にクーラーがあれば冷気をもらうなどして乗り切りましょう。
目次
除湿機はクーラー代わりになるのか解説
除湿機は、クーラー代わりに使うことはできません。
除湿機は湿度を下げますが、室温を下げることができないからです(むしろ上がる)。
夏は蒸し暑いので、除湿機で湿度を下げると、カラッとして涼しく感じるような気もしますよね。
しかし、除湿する時には熱が出るので、湿度が下がっても室温が上がり、暑さの方が勝ちます。
初夏なら、まだ気温もそこまで高くないので心地よく感じるかもしれませんが、真夏に部屋の温度が上がるのはかなりこたえるはずです。
除湿機には主に3つのタイプがあり、夏に向いているのはコンプレッサー式です。
コンプレッサー式は、エアコンの除湿のように、空気を冷やして結露させることで湿気を取り除きます。
- コンプレッサー式…梅雨や夏に適している
- デシカント式(ゼオライト式)…冬に適している
- ハイブリッド式(夏はコンプレッサー式、冬はデシカント式、と両方兼ね備えた除湿機)
コンプレッサー式もデシカント式も、温風が出ます。
特に、デシカント式は室温の上昇が大きいです。
(乾燥剤に湿気を吸わせた後、ヒーターで温めて湿気を取るような感じなので)
というわけで、除湿機は暑さ対策には使えません。
雨の日や、湿度が高い夏、部屋干しの時など、部屋の湿度が高い時に使うのがベストです。
扇風機と除湿機を併用すると涼しいのでは?と思う方もいるようですが、もちろん涼しくなりません。
(涼むのではなく、洗濯物の部屋干しなら併用は効果的です)
エアコンと除湿機で迷っているなら、エアコンを買いましょう!
エアコンの設置が難しい場合は、ウインドクーラー(窓に付けるクーラー)が良いでしょう。
エアコンを買う場合は、安いものだと、温度や風量調節が難しかったり、室外機がうるさかったりします。
実際私は、一番安いタイプのエアコンを買って後悔しました。
弱でも風量が多く、音も大きいので気になるし、寒すぎたりしてうまく調節できませんでした。
一番気になったのは室外機の音で、ちょっと近所迷惑ではないかと思うくらいです。
(我慢して使っていましたが、今年はさすがに買い替えを決断)
長く使うなら、安すぎるものは避けた方が良いと思います。
クーラーの代わりになる家電は冷風除湿機?
先ほどお伝えしたように、除湿機を夏に使っても、部屋を冷やすことはできません。
ただ、冷風が出るタイプの除湿機もあります(冷風除湿機)。
一般的な除湿機と違い、風を前と後ろに分けて出しているというイメージです。
前側から涼しい風が出て、後ろ側から温かい風が出てきます。
調べた感じでは、冷風除湿機はスポットクーラー、ポータブルクーラー、移動式クーラー、冷風機、冷風衣類乾燥機などと同じ意味のようです。
(いろんな呼び方があってややこしいです)
これらは、クーラー代わりになる家電として紹介されていることが多いですが、あくまで部分的なもので、部屋全体を冷やすのは厳しいでしょう。
ちなみに、冷風機と似た響きに「冷風扇」もあります。
タンクに水や氷、保冷剤を入れ、水が蒸発するときの気化熱を利用して冷風を送り出すというものです。
ちょっと冷たい風に当たりたい、という時に使うもので、部屋全体を涼しくすることはできません。
冷風除湿機は、後ろからは温風が出るので、排気ダクト(太いホースみたいなもの)で外に出して使うのが基本です。
夏は、窓パネルを設置して、温風を外に出す感じですね。
中には、排気ダクトがない冷風除湿機もあります(この場合は室温が上がるのでご注意を)。
冷風除湿機は、クーラーやウインドクーラー(窓エアコン)が設置できない場所では、クーラー代わりになる家電かもしれません。
実際、快適に過ごせているという方もいます。
または、エアコンが壊れて、どうしても緊急で必要な時など。
わが家も、真夏にエアコンが壊れて焦りましたが、幸い1週間以内で新しいエアコンを設置できたのでなんとかなりました。
時期によっては、在庫が無かったり、設置工事待ちで1~2ヶ月かかったという方もいたようです。
このような場合は役立つでしょう。
クーラー設置後は、衣類乾燥用の除湿機として使ってもいいですね。
アイリスオーヤマの除湿機は涼しい?
冷風除湿機は、アイリスオーヤマや、コロナ、ナカトミなどから販売されています。
例として、アイリスオーヤマの冷風除湿機は涼しいのか、評判を調べました。
アイリスオーヤマの冷風除湿機は、ポータブルクーラーという名前です。
冷風、送風(換気)、除湿、温風ができるとあります。
涼しい、良く冷える、という口コミは多かったです。
もちろん、エアコンと同じということではなく、あくまでスポットクーラーとしての評価ですが、狭い部屋ではかなり冷えるようです。
排気ダクトが熱くなるので、そのままだとホースからの熱で部屋が暑くなるんだそう。
快適に過ごすには、ホース部分がなるべく外に出るように窓のそばに設置したり、別途断熱するなど工夫が必要そうです。
窓への設置がうまくできるかが、ポイントになってきますね。
涼しさ以外では次のような感想が多いです
- 音は結構大きい(あまり気にならないという方もいますが)
- 本体は、大きくて重い(キャスター付き)
アイリスオーヤマに限らず、冷風除湿機はエアコンと違って室外機がないので、どうしても音は大きくなりますね。
また、置き場所の確保も必要です。
重いため、2階への持ち運びは女性一人では難しいでしょう。
エアコンない部屋を涼しくする方法はある?
エアコンのない部屋を涼しくするには、ウインドクーラー(ウインドエアコン、窓用エアコン)を設置するのがベストです。
ウインドクーラーは、その名の通り、窓に取り付けるタイプのエアコンです。
室外機がなく、賃貸や間取りの関係などで、壁に穴を開けられない部屋にも取り付けられます。
(その分、音はどうしても大きくなります)
ウインドクーラーも設置できないなら、冷風除湿機でしょうか。
冷風除湿機も使わないとなると、扇風機(やサーキュレーター)で風を通す方法を試してみると良いでしょう。
- 風が抜けるように、部屋の窓と、廊下などの窓を開けます
- 扇風機を窓に向けて置きます(涼しい方から暑い方に風が抜けるように)
- 首振りなしでスイッチON
この時、窓の外にすだれやよしず、シェードなどがある方が、日影ができて良いはずです。
風が入る方の窓にも、窓を背にして扇風機を置くと、さらに良いでしょう。
家の間取りや日当たりなどもあるので、いろいろ試してみてください。
ちなみに以前、わが家で試したときは、そもそも気温が高すぎて快適にはなりませんでした(暑がりということもあり…)。
ただこの方法、夜寝る時にできたら良いのですが、防犯面で無理ですね。
私は試したことがないのですが、クーラーなしの部屋で寝るには、氷枕が良いと聞きます。
私は暑がりなので、真夏にクーラーなしの部屋で眠れる気がしないのですが、氷枕は良さそうですね。
10年以上前に、背中に敷くひんやりするマットは試したことがあります(クーラーなしの部屋)。
初夏くらいなら良いのですが、真夏のように室温が高くなると、全然ひんやりしないということがわかりました。
この他には、遮光カーテンや、雨戸があれば日が当たる時間に雨戸を閉めたり、暑さ対策グッズをいろいろと併用することで、何とか暑さをしのげるかもしれません。
隣の部屋にクーラーがあればドアを開けて使うなど、工夫して乗り切りましょう。